
あなたは総合商社での仕事に興味がありますか?
総合商社は日本企業の中でも、最も海外拠点が多い業態と言えます。従って、海外駐在の機会は殆どの社員に巡ってきます。
今回は総合商社の海外駐在の実態について解説します!
待遇は本国社員の2倍?
海外駐在員は給与に加えて幾つかの手当が支給されます。
例えば、国の危険度に応じた手当です。私が在籍していた商社ではハードシップ手当と呼んでいました。
その制度では、国ごとにハードシップランクが決められています。当時、ハードシップランクが最も高い国はナイジェリアやガーナでした。
そして、ハードシップランクが高い程、手当は高くなります。待遇は上がりますが、安全や利便性との引き換えです。
もう一つは、物価調整給です。日本と現地の物価の違いを埋めるための手当です。物価が高い国であれば、その分調整給も高くなります。
ただ、支出もその分増えることになります。従って、最終的な手残りは理論的にはプラマイゼロとなります。
これらの手当を足し上げると、日本にいる社員よりも額面が2倍になることもあると言われています。
海外支店の駐在員の悲哀
商社の海外支店の駐在員は一見すると華々しく思えるかもしれません。しかし、キャリアの観点からは必ずしもそうは言えないのです。
どういうことでしょうか?
実は、海外支店には殆どの権限が与えられていません。何か大きなプロジェクトの投資判断をしようとしても、できないのです。
意思決定は全て本店に集約されています。従って、総合商社は一見グローバルでも非常に中央集権的な構造なのです。
海外支店駐在員の主な仕事は①日本からの出張者の対応、②現地の情報収集です。
いかがでしょうか?これを聞いて、仕事にワクワクする方はあまりいないのではないかと思います。
特に、出張者の対応は多くの労力が割かれます。本店から社長や役員などの「お偉いさん」が来るとなればてんやわんやです。
面談のアレンジ、ホテル・移動手段の手配、宴席の準備。。やることはJTBのような旅行代理店と同じです。
この経歴で、例えば転職しようとした時に何を実績として言えるのでしょうか?
大手総合商社にはとても優秀な人たちが数多くいます。しかし、その力がこのような仕事でフルに発揮されているとは思えません。
世の中で聞く商社海外駐在員のイメージと実際とは大きく違うものなのです。
海外に行く機会はいくつかある
海外支店の駐在員の他にも、海外派遣される方法がいくつかあります。
私は、それらの方がキャリアにつながると考えています。
一つは海外の投資先への出向です。私がアイルランドに行った時はそのパターンでした。
海外の投資先に出向すれば、そこの社員として働くことができます。従って、そこで現地ビジネスの経験を積むことができるのです。
もう一つは語学派遣です。私がいた商社ではフランス語や、スペイン語、中国語などの語学派遣制度がありました。
その制度は2年間の派遣となります。一年目は現地語学学校に通い、言語習得に専念します。そして、2年目は現地での業務に従事するのです。これは現地のエキスパートになる道として有効です。
最後はMBA留学です。私がいた商社は日本企業で最もMBA生を社費派遣しています。私もその制度を活用し、留学していました。
留学についても過去にブログを書いています。ぜひ参考にしてください。
結論
大手総合商社の海外駐在は日本の社員よりも待遇が2倍程高くなることもあります。危険地手当、物価調整給などが給与に加算されるためです。
しかし、その見合いに安全や利便性が低かったり、支出が増えます。
海外支店の駐在は一見華やかかもしれません。しかし、実態は旅行代理店のような業務がとても多いのです。キャリアの形成にはあまり向きません。
海外に派遣される方法は複数あります。一つが、海外投資先への出向です。もう一つは一つは語学派遣生としての駐在です。そして最後に、海外MBAへの社費派遣があります。
このブログを通じて、あなたが商社で働くイメージを作ってみてください!